医師国家試験まとめnote

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【112回医師国家試験】不整脈【循環器】

こんばんは。不整脈についてです。

 

 

総論

・抗不整脈薬 適応)Ⅰa(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド)→ 上室性、心室不整脈
          Ⅰb(リドカイン)        → 心室不整脈
          β遮断薬、Ca拮抗薬        → 洞性頻脈(房室伝導抑制)
          アトロピン、イソプロテレノール  → 伝導障害
          ジキタリス            → CHFに合併したAF 禁忌:徐脈性不整脈、側副伝導路の伝導亢進に伴う心室頻拍
 
・ペースメーカー植え込み 適応)洞不全症候群、完全房室ブロック(AMI以外)、Mobitz2型房室ブロック
・電気的除細動は頻拍性不整脈に適応 ex)Brugada、QT延長 など
・植え込み型除細動器 適応)致死的心室不整脈:VF、器質的心疾患に伴うVT、Brugada、先天性QT延長
カテーテルアブレーション治療の対象となるのは頻脈性不整脈のうちの房室回帰性頻拍(WPW 症候群)、房室結節リエントリー性頻拍、心房細動、心房粗動、心房頻拍、頻発性心室期外収縮心室頻拍。
         
 
 
・頻脈性不整脈
  tachycardia→narrow or wide QRS→regular, irregular
 
 

発作性上室頻拍(PSVT)

 
・突然起こり突然停止する動悸
・大部分はre-entryによって生じる。原因:ジギタリス中毒、低K、虚血性心疾患、肺性心
・洞性頻脈との違い:P波が認識できないか、正常とは異なる形
 
  
治療)血行動態安定→迷走神経刺激(Valsalva手技) 効果なければベラパミルなどのCa拮抗薬、ATP
       不安定→カルディオバージョン
 

心房粗動

 
  Ⅱ、Ⅲ、aVfが分かりやすい
 

WPW synd

 
・δ波、PQ短縮、QRS延長
・発作時にはAF、房室回帰頻拍(AVRT、PSVTの一種)
 
治療)AVRT合併→迷走神経刺激、ATP、Ca拮抗薬
   AF合併→Naチャネル遮断薬(Ⅰ群)静注
   根治:カテーテルアブレーション
 

AF

 
・narrow QRS, irregular tachycardia
・合併しやすい疾患:MS,MR,ASD,甲状腺機能亢進、虚血性心疾患、HF、収縮性心膜炎、拡張型心筋症
 
 
治療)ワーファリン
 血行動態安定→rate control: β遮断薬、Ca拮抗薬(ベラパミルなど) 、ジキタリス
        rythm control:Naチャネル遮断薬
 血行動態安定→カルディオバージョン
 根治療法→カテーテルアブレーション
 

心室期外収縮(PVC)

 
・先行するP波を欠く、wide QRS
 
治療)必ずしも必要でないが、VTやVFになりうるなら介入する : 数が多く、自覚症状が低下している、血行動態に悪影響を及ぼしHFの原因になっている
   AMI急性期に伴う→Naチャネル遮断薬、アミオダロン
   基礎心疾患を伴う→β遮断薬、アミオダロン
 

QT延長症候群

 
・失神を繰り返す
・補正QT間隔が0.48sを超える
 
 
治療)先天性ではβ遮断薬、一時ペーシング
   後天性では原因の除去(薬剤、電解質など)
 

心室頻拍(VT)

 
・wide ARS, regular tachycardia
・原因)低K、AMI、QT延長、ジキタリス中毒
 
治療)血行動態安定→Naチャネル遮断薬など
     右脚ブロック・左軸偏位にはベラパミル
     左脚ブロック・右軸偏位にはATP
     心機能低下例にはアミオダロン、ニフェカラント
※ジキタリスなどの強心薬は禁忌
 
  血行動態不安定 カルディオバージョン
  根治   カテーテルアブレーション
   

Burugada

 
治療)除細動器植込み
 

VF

 
・胸にボールが当たったなど心臓振盪による突然死はVF
 
 

洞不全症候群

 
・原因:虚血性心疾患、心筋症など
・失神発作
 
 
治療)症状なし→経過観察
     あり→可逆性の原因(薬剤、電解質異常など)→原因の除去、経過観察
               なし→ペースメーカー(徐脈があり、それに起因する脳虚血症状あり)、薬物(アトロピン、イソプロテレノール、オルシプレナリン)     
 

房室ブロック

 
 原因)サルコイドーシス、アミロイドーシス、薬剤性、虚血性心疾患、心筋炎、感染症など
・1度房室ブロックはPR間隔0.2s以上
 
 
 
 治療)1度および2度(Wenckebach,MobitzⅠ)→無治療、経過観察
    2度(MobitzⅡ)3度 →原因の除去、ペースメーカー、イソプロテレノール・アトロピン