医師国家試験まとめnote

医師国家試験まとめ事項などを貼っていきます

【112回医師国家試験】虚血性心疾患【循環器】

 おはようございます。
今回は虚血性心疾患についてまとめてみました。
 
 
 
 

労作性狭心症

 
・数分間持続
・心筋マーカーの上昇なし
・冠動脈造影、冠動脈CT
・補助検査として運動負荷心筋シンチ→虚血部位の欠損像
・アデノシン負荷心筋血流SPECT
 
 
治療)発作時:ニトロ
   非発作時:硝酸薬、Ca拮抗薬、β遮断薬、抗血小板薬、スタチン
   観血的:経皮的肝動脈インターベンション(PCI)、冠動脈バイパス術(CABG)
 
PCIは最近では免疫抑制薬でコーティーングされたステントを使うので再狭窄率5%以下
 

異型狭心症

 
・安静時の狭心発作と発作時の心電図でST↑。ときに心室性期外収縮ホルター心電図
・心筋壊死所見なし
・喫煙者、飲酒習慣
・夜間~早朝
・冠攣縮誘発因子:過換気、Ach、エルゴノビン
 
治療)ニトロの舌下・口腔内スプレー
  予防としてCa拮抗薬、ニコランジル、長時間作用型硝酸薬  
 ※β遮断薬は禁忌
    薬物でコントロールしやすいので予後良好

不安定狭心症

 
・虚血性心疾患の既往
・労作時、安静時を問わない胸痛
・ST変化+T波の陰転化
・運動負荷は禁忌
 
治療)即入院・即治療→AMIへの進展防止
   発作時:硝酸薬舌下・口腔内スプレー、アスピリン、ヘパリン
   AMIのリスク低い場合:アスピリン、ヘパリン、β遮断薬、硝酸薬、Ca拮抗薬、スタチン
      リスク高い  :冠動脈造影によりPCI・CABGの適応を判断・施行
          冠動脈の1枝病変もしくは2枝病変→薬物やカテーテルPCI
   冠動脈の3枝病変もしくは左冠動脈主冠部→冠動脈バイパス・・・PCIは禁忌
 
   バイバスの適応:左冠動脈主冠部50%以上狭窄、三枝病変、PCI後の再狭窄、EF20%以上である
 ※AMI後の場合たとえ上記のような病変を認めても、貫壁性梗塞で心筋のViabilityがない場合はバイパスの適応なし。心筋シンチで判断
 

AMI

 
・DM、高齢者では症状が乏しい
・検査:Xp、血液、ECG、心エコー、冠動脈造影
・T波の増高、ST↑、異常Q波、冠性T波
・CK-MB、トロポニンT(3w持続)、ミオグロビン、H-FABP
・解離性大動脈瘤では冠動脈が血管解離に巻き込まれてAMIを生じることがある
・合併症)心室中隔穿孔、乳頭筋壊死によるM弁逆流→新しい全収縮期雑音
 ※前乳頭筋は左前下行枝以外にも左回旋枝からも分布しているため、片方だけでは大丈夫だが、後乳頭筋は右冠動脈の単独潅流なので断裂しやすい
 EMD(電導収縮解離):ECG上QRS波形は残るが実際に心臓から大動脈へは血液は送られないこと。心破裂による、3~5日目が危険
     心室瘤:著しい心拡大。特に左4弓
 
治療)初期治療 MONAモルヒネ、O2、硝酸薬、アスピリン(ヘパリン)
   ST↑:PCI むりなら 血栓溶解 それもむりならCABG
   下壁梗塞による房室ブロックにはアトロピン投与+緊急ペーシングを行う
   薬物:β遮断薬、硝酸薬、Ca拮抗薬、抗血小板薬、ヘパリン、スタチン
   乳頭筋断裂、心破裂、心室中隔穿孔の合併:緊急開胸